夢心地、夢うつつ

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「その、司チャンごめんなさい。でも、その蹴りあげは流石にヒドイ」 「知らねぇ」 「すいませんでした」 「分かったら、とっととゲーム再開すんぞ」 「ウンっ」 新名が持ってきたゲームはアクションもので2人プレイも可能な奴。 最近のゲームは本当に映像が綺麗だな。しばらく、2人で黙々とゲームに集中していた。 「なぁ、新名」 「なぁに?」 「新名ってさ、ホモ?」 「突然だネェ。なんでまた」 「んー……とくに意味はない。気になった」 俺に害が及ばないならホモだろうがなんだろうが別に良い。こいつがホモだって分かったところで避けようとかそんなんじゃないし。 「んー、そうだネ。強いていえば、バイかな」 「……バイ?」 「両方ok!ってカンジ?」 「あぁ……そんでマリカチャンな」 「へ?何で知って……あ゙。オレさっき、もしかして司チャンを間違えました……か?」 「間違えましたよ」 「すいませんでした」 本日、新名3回目の土下座。土下座回数が増えると安っぽく感じてくるな。 しかし、何で俺はこんなこと聞いたのか。自分でもよく分からない。 「俺は?」 「ん?」 「対象外だろ?」 俺は少し意地悪な笑い方をしてたろうな。新名は一瞬キョトンとした顔をした後、俺より意地悪な笑い方しながら言う。 「……ドウデショウ」 「洒落にならねーよ、それ」 「アッハハ。まぁ、オレは、ゆめゆめ司チャンにはてきとうな態度はできないヨ」 今度は優しそうに笑いながら言ってきた。そんな優しそうな笑顔とは反対に少し膨れっ面な俺。 「……ゆめゆめってなに?俺、頭弱ぇからわかんねぇよ」 「自分でお調べよってネ」 「ケチくせぇ。新名のくせに」 「ケチで結構。ホラ、集中しないと殺られるよー。というより、俺がわざと司チャン殺っちゃうよー」 「ヒデェ」 夜が更けていく。ゲームに熱中して、真夜中に寝落ちして、また夢へと落ちていく。
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