インテリジェンス

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「はいはい、そんな怖い顔しなーい」 そう言いながら俺の頭をポンポンしてくる。さわんなっ!! 「……もう、知らねぇ。腹減った」 「いじけたぁ」 「いじけてねぇよ!!」 「ふふっ……はいはい」 俺たちは出会って間もないはずだ。 よく知りもしない相手にまぁ、よくあんなに優しそうな顔するもんだと思う。 俺には無理だ。人との接し方なんて何が正しいのかよくわからねぇし。 ぐちゃぐちゃ考えながら、ふっと涼峰のほうを見たらえらく真剣な顔をしていた。 今度はなんだよとか思っているうちにやつが口を開いた。 「ねぇ……郁未。唐揚げとさ、虫の唐揚げどっちが」 「唐揚げ」 「虫の?」 「鶏の!」 なんでまた買ってきた!? でも、まぁ、此処の居心地は悪くないよ。
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