その2 魔王と勇者と下克上

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それは五日ほど前に戻る── と魔王は嘆息を吐きながら話始めた。 おぼろ気な瞳は、自らの記憶を探るように、朧気に震えていた。 俺は直感で感じた。 この話は 長いぞ、と。 きっと神様(自称)も感づいたのだろう。 懸命に話さんとする魔王を横目に、にっこりと 何処からか取り出したトランプを掲げていた。 そして、声に出さないでこう言ったのだ。 「じゃ、ババ抜きでもやりましょう!」
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