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……
…
暗転
それは唐突に起こり、自分ですらも解からないうちに終わっていた。
痛みはない
寒くも、暖かくも
何も見えないし、何も聞こえない。
まるで無
そして広がる白
白
白…
これは色なのか?それとも光なのか。
それとも、只の無…?
長い長い間、俺は白だけを見てきた気がする。
いや、以外と短いのかも知れない。
「あ。居た居た」
突然、困惑する俺にかけられたその短い言葉。
しかし今の俺に安心感を感じさせるには充分な要素だった。
─良かった。ここにも人がいた。
しかも、言葉が通じる。同じ言語を話す人間だ。
しかし、だんだんと近づいてきた声をかけてきた本人はと言うと。
俺の顔を見るなり、
「あ、あれ…?こんなハズじゃ…!」
…当人も酷く困惑していたようだ。
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