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「俺はまだその特典を受け取れるレベルではないみたいです。なので、一気に身体にキた可能性もあると思います。」
「あぁ……確かにそれはあるかもしれないな。俺はこの前やっと全てを思い出したんだが、最期は飢えによる共食いで命を落としたみたいなんだ。確かにしばらくはいつもより腹が減るし、仲間に噛みちぎられたりしたところが痛んだりもしたが…リモの様にいきなり来た訳ではないから反動は小さなものだった。精々動きが鈍くなる程度だ。」
「その前に、リモはその記憶の時死ななかった、って事も重要だろ?死んだ時の記憶が来てたら、死んでたかもしんねえからな。自分の運に感謝するんだな。」
レオンさんとサタンさんの話を聞いて、俺はゾッとした。確かに、レオンさんの様に徐々に思い出して軽減されていれば、痛いだけで済むかもしれないが、俺の場合、そんな事があったら影響をモロに受けて死んでたかもしれない。
「サタン!今1番不安なのはリモくんなんですよ?もっと不安にさせる事を言わないでください!」
と、千手さんが俺の頭を撫でた。思わずその手を追ってしまう。
「………リモくん、やっぱり人肌恋しいんですか?」
「……やっぱり?」
「はい。さっきから帝くんを触っているでしょう?触り心地の良いものを触り続けるのは、寂しい時や心細い時、誰かに頼りたい時が多いです。赤ちゃんが、自分のタオルを持ち歩いているのに似た行動ですね。」
さらに撫でられた。俺は、自分の行動が理解出来ずそれについて考えていたので、反論もせず、千手さんの手のぬくもりに甘えていた。
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