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「………それで、生活には支障は無い?ごはんとか、作れないでしょう?」
「あ、それは大丈夫です。帝が今まで俺の手伝いをしてくれていたので、生活の心配はありません。」
「私は、マスターの為に生きているのです。マスターの必要な時に、必要なだけ、使ってくだされば幸せなのです!」
どこかウットリとした様な、スライムの表情。と言われて納得する様な声が聞こえて、俺は身体に帝の触手が絡むのを感じた。
「帝。こんなのは一過性のものだから。すぐに帝の姿を見れるようになるからね………待ってて。」
俺は触手を辿って先を見つけ、そこにキスをした。触手はブルっと震えると、ゆっくりと引いていく。
「うふふ……相思相愛なのね。羨ましいわ。」
千手さんが微笑ましい顔でこちらを見ている様な気がして、少し気まずくなったけど、俺からは見えないので開き直る事にした。
「俺、当分女の子に会うとは思いませんし、そもそも人間の敵なので、多分結婚とか出来ません。なので、そのうち帝と結婚します。」
「もちろん、マスターを幸せにします!」
「「「……………」」」
「あらあら……」
4人が驚いたのを感じる。
「えええええぇぇぇ!?ちょっ……リモ待て!お前…確実に今のスライムの発言はお前を嫁に迎える気だぞ!?お前、ウエディングドレス着るのか!?」
「待てサタン!その前に、スライムと結婚とは聞いた事がない!しかも、ダンジョンマスターとダンジョンモンスター同士の結婚はかなり面倒くさい手続きを取らなくてはいけない!」
サタンさんとレオンさんが慌てて俺に考えを改めるように言ってきたが、その意思は変わらない。
「俺、曲げませんよ?だって、帝の事、大好きですもん。」
そう言って帝に頬ずりすると、帝が
「なら、うちのスライムは私達の子どもですね!」
と言った。確かに、帝の後に最初の子達を召喚したので、そう言えるかもしれない。
「ん。そうだね。」
「「認めるのか!?」」
「?」
2人に驚かれたけど、なんで驚くのか分からなかったので首を傾げるだけにしておいた。すると2人はため息をついて席に戻る。…これが、価値観の違いというやつなのだろうか?
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