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「………ター………マ…ター……マスター!」
「………っ…!ゲホッ!ゴホッ!」
急に空気が肺に入って来てむせた。激しく咳をして、涙が零れる。
「な………なんだ…………?」
「今、息が止まっていたんですよ!!話し合いから戻ってきたら地面に倒れていて………!」
帝がひどく取り乱している。俺は手探りで帝の腕を探し、つかんだ。
「帝、落ち着け。………今、簡単な死へのダイジェストを見ただけだから。自分の殺される所も思い出した。」
「だからですね!?たったの2日で慣れる訳が無いんです!……マスターが目を覚まして良かった………!」
俺は抱きついてくる帝に手伝ってもらって車いすに座り、
「音夜さん、ご迷惑をおかけしました。」
と謝った。音夜さんは驚いて問題ないとかいろいろ言っていたけど、人が倒れてて、尚且つ息をしていなかったら驚くに違いないので、俺はその場を譲らなかった。
「もういいや………じゃあ、今日のところは帰るね。お家の人に知らせておいて。3日後の昼にここに迎えに来るよ。」
「………わかりました。よろしくお願いします。」
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