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「そっか……まぁ、あんまり詮索するのは悪いかな……歳も知らないんでしょう?」
「はい。大体の年齢は推測できますが、実際に聞いた事はありません。マスターがマスターであれば、過去など関係ありません。」
「………そうだね。」
見た所リモくんは16歳くらい。でも、目が見えないというのにここまで落ち着いている子は珍しいと思う。少し不便そうな顔を時々するけど、それ以外は文句すら言わない。
あと、リモくんはきっと今、何処かの痛みを堪えてる状態だと思う。時々、何かを堪えるように筋肉が痙攣するし、目を離すと大きく息をして、目を向けると努めて普通の呼吸をしようとする。気配が分かるんだろうね。俺は耳が良いから、ヘッドホンを外せば大体聞こえるのですぐにわかった。帝くんは気付いてないみたいだけど。
「………どれか一つ良くなって緊張が緩んだら、きっと崩れちゃうだろうなぁ……」
それだけ、リモくんの歳頃は難しい。虚勢をいくら張っても、まだまだ子どもだから、それも完全じゃない。
「さて、寝ようか?付き合わせてごめんね。」
「いいえ。……おやすみなさいませ。」
「おやすみなさい。」
これからもリモくんをサポートできるように頑張ろう。少しでも不安を消せるように。それが大人のする事。
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