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起きたら、俺は真っ白な四角の中にいた。しかも床らしき所に寝かされて、身体がギシギシしてる。
「えーっと……ここは何処だ?」
考えても分からない。ついでに言うと、名前もわかんなかった。記憶喪失!?
「………にしても真っ白で落ち着かないな……よいしょ。」
バキバキと身体を動かしながら、まずは四角の中を歩き回ってみる。それから、いろんな所を触りまくる。床とか壁とか。流石に天井は触れないから、じっくり見ることにした。
「………出入口が無いな……ふむ……なんか、魔法みたいだ。」
身体もほぐれてきた頃…
カチッ!
「………あ、なんか押した。」
すると、床の一部がせり上がってきて、ベッドと机、座りやすそうなふかふかのソファが出てきた。
「……これが出てくるって事は、他にもあるのかな…?」
もう一度壁とか床を触りまくると、今度は3回ボタンを押して、キッチン、トイレ、風呂場の水周りと、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機の電化製品(しかも何処からか分からないけど電気が通ってる)、本棚、クロゼット、万能棚の収納用品が出てきた。
「………ここで暮らせるじゃん。………ってあれ?なんだこの紙?」
部屋の隅に、小さく折りたたんだ紙を見つけた。前から落ちてましたって雰囲気だから、見落としていたんだろうか?
「えっと………"ダンジョンマスター当選おめでとうございます!"……ダンジョンマスター?なんだそれ?」
ダンジョンは、あれだ。ゲームとかの魔物とかが出てくるところだ。簡単なのとか、難しいのとかたくさんあるやつ。………で、マスターは経営者とか責任者って事だから……
「ダンジョンの経営者!?何それ!?」
俺は1人で驚いてたので、広い四角の中、少し虚しかった。
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