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うっそうと茂る森の木々の間を黒い影が飛んでいく。
珍しい紫色の瞳のくノ一である。
その後ろを3人の忍が追いかけていた。
(しつこい奴らだ)
逃げるのを諦めた鴉は、木の枝の上に着地した。
一斉に飛びかかってくる忍達。
正面からきた忍のくないを素手で受け止める。
痛みは感じない。手のひらから血が溢れ出す。
そのまま正面の忍の攻撃を交わすと、右側から来た忍の攻撃をかわし、そのまま怪我をした手で腕を掴む。
「う、ぐっ…」
腕を掴まれた忍は小さく呻いて、下の地面へと落下した。
すでに息はない。
「まだ続けるか…?」
睨みをきかせると一瞬怯んだように見せたが、引くことは許されていないようで、次々に鴉に向かっていく。
鴉は小さくため息をついて、難なく2人の忍を倒した。
(いつまでこんなことが続くのか…)
怪我をした手を包帯で巻きながらふと思ったその時だった。
「…あんた、何者だ」
鴉の首筋には刃物のが向けられていた。
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