第13章

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     神咲は、小さい頃の夢を見ていた。  黒沢の実家であるブティック黒沢に、母親と一緒に遊びに来ている。  モデルだった頃、仕事が終わると 大抵 黒沢の家に寄って、お茶をしながら話に花を咲かす母親達。  母親同志が、学生時代の同級生で 親友だったという理由もあって、勇也と迅は 赤ちゃんの頃からよく一緒に遊んでいた。  見た目が母親そっくりな可愛い勇也を、モデルにしたら?と勧めたのも、黒沢の母だった。  迅が、勇也の事を「しーちゃん。」と呼ぶようになったのもこの頃から。   女の子として活動している勇也が、実は男だったと周りにばれない様にという配慮から、一緒に遊ぶことの多い迅には、そう呼ばせていた。
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