言い伝え

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 女の悲鳴と共に、バシャッと水面を打つ音がした。  俺は、(うつぶ)せになった女の頭を力一杯押して水に沈めた。 「ブクブク……」  女は懸命にもがいていた。 「お前が悪いんだー!」  俺はそう叫ぶと、更に力を込めた。――  俺は、母親の面影を残すあの女に、恋心を抱いていたのかもしれない……。     完
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