第5章

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しばらくして落ち着いた優人先輩が、僕を生徒会室に招き入れました。 あー さすが生徒会執行部ですね。 無駄遣いが一段とひどいです。 理事長室に負けず劣らず、といった感じでしょうか。 生徒会メンバーひとりひとりに大きな机があり、扉の目の前に会長机と副会長机、扉の右側に書記机、左側に会計机。 書記と会計の机はそれぞれ二つずつ。 机に、役職名と名前が書いてあるネームプレートが置いてありました。 真ん中には黒い革の4人掛けソファーが向かい合わせに二つ、ソファーに挟まれるようにして白い大理石の机が。 壁や床も十分豪華でいろいろなものが飾ってあります。 「「うっわー! ふくかいちょーがキス! しかもなんか超優しい!」」 「黙りなさい。あとソファーの上で飛び跳ねない」 で、この豪華な部屋の中に、先ほどの優人先輩以上にはしゃいでいらっしゃる双子がいました。 どうやら長文を同時に読むのは種も仕掛けもない本物らしいですね。 今のセリフを聞く限り、さっきのをばっちり見たようです。 今日は厄日なんですか……。 なんか、もうどうでもよくなってきましたよ。 それで、今見当たらないのは、会長と書記…… 「き……きょ……」 あ、書記いました。 僕の背中にのしかかるように後ろから抱き付いてきたのは、書記の隼壬海。僕の一つ年上の幼馴染み。 「あの、海。 さっきの、見てしまいました?」 恐る恐る聞いてみると、しっかりとしたうなずきが返ってきました。 「「あ、海がなついてる!!」」 「おや、本当ですね。 まぁ、そんなことはどうでもいいんです。海、私の桔梗から離れなさい」
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