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永久さんの体に小柄な俺の体はすっぽりと包み込まれた。 そしてそのまま横へ転がる。 タシッ。 乾いた音がする さっきまで俺がいた場所には一匹の狼のようなものが立っていた。 「逃げてください!!!」 永久さんは叫ぶが一体どこに逃げろと言うのか。 俺には皆目見当もつかない。 「グルルルルルルルルルルル」 狼は鋭い牙を見せ今にも飛びかかってきそうだ。 「走れ!!」 「っ・・・・!?」 永久さんの二度目の叫びを聞き ようやく俺は立ち上がり、走り出した。 「とにかく走ってください!」 俺が遅いなりに必死に走っていると後ろから永久さんの声 「後で私も合流しますから!!」 そう言っている永久さんに狼が飛びかかるのがみえた。
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