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受信メール1件
彼は緑に光る受信ランプの点滅で目を覚ました。
携帯電話のディスプレイには愛しい人の名前が写し出されていた。
【おはよう。今日はあなたに捕まった日ですね✨私にとってあなたに出会えたことは幸福の始まりでした。これからもよろしく】
2年前のこの日に彼らは恋人となった。
彼女同様、彼にとってもこの日は幸福の始まりとなっていた。
彼女からのメールに彼も返信しようとしたが、それよりも彼女の声が聞きたくなり通話ボタンを押した。
『はい』
「メール、ありがとう。こちらこそよろしく」
『…ん』
眠そうな、気だるそうな声。
「寝てた?」
『んー…、二度寝をしようとしたところ』
「そっか。…じゃあ、おやすみ」
『…ん。おやすみ』
メールと電話のテンションの違いには戸惑う。
もう少し話していたかったし、もっと嬉しそうな声を聞きたかった。
でもまぁ、仕方ないか。
俺はもう一度寝ることにした。
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