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ドアを開ける。
カーテンが閉まっているせいで中は薄暗く不気味だ。
薬品独特の匂いがする。
まだ相手の子は来ていないのだろうか。
中に入り、明かりをつけるためスイッチのある場所へ移動する。
コツコツコツ
静かだから余計に大きく聞こえる自分の靴の音。
スイッチは…
「つけないで!」
手を伸ばしてつけようとしたら誰かが叫んだ。
声からして小柄な男の子だろう。
中に人がいないと思っていたからびっくりした。
心臓に悪いからやめて!
って思っても伝わるはずはないよね。
とりあえず伸ばしていた手を引っ込め声のした方を向く。
暗くとも薄暗く、先程よりも目が慣れたため微妙に人影が見えた。
やはり小柄な。
「優様でしょうか?」
しーんとした中で先に口を開いたのは相手の方。
てか、優様て。
なぜに様付けw
「そうですが」
相手との距離がまだけっこうあるが近づきにくい。
なんか怖い。
それからまたも沈黙。
どうしたんだ?
「呼び出したのって何?」
これをきつく聞こえてしまったら申し訳ない。
こっちは緊張に似た恐怖心があるもんで。
「あ、えと…僕と付き合って下さい!」
勢いで言ったぞ、この子。
え、告白?!
てかこの子誰?!
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