一対の英霊

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「――っ!?」 背後からの矢を辛うじて避けた。しかし攻撃はそれで終わりでは無い。 ――死ぬ訳にはいかない 必死に逃げる彼の背後には、金髪の不良らしき男と足軽の様な格好の弓兵が迫る。 「サーヴァントを呼び出される前にさっさと殺せよ足軽野郎」 サーヴァントである弓兵に命令している不良を確認する事無く、ただただ逃げる。 ――ここを曲がればっ! 「ちっ、どこまで逃げ――あ゛っ? 消えた……?」 「――はぁ…はぁ……」 ゆっくりと呼吸を整えながら彼――鎖繋切矢(さがいきりや)は辺りを見回す。身に纏った魔力遮断の布を頭からかぶったまま、ゆっくりとマンホールの蓋をずらす。 ――気配は無い、行ったか マンホールの蓋を退けて素早く出ると、蓋を戻して再び走り出した。
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