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「私の力はね、未来を壊すの」
「あー大体分かった」
「何を壊したかと言うと…え?」
何を驚いたのだろうか、ぽけーっとしているが…
「どういう力かは把握したよ。ってこと」
「さも当然のように言ってくれるわね………ん?そういえばあなた、能力をいつ発動したの?発動するには詠唱がいるじゃない」
「別に詠唱しなくたって破壊する。の一言で能力は発動できるよ。俺の場合は。だけどね」
「ふーーーん……」
「信じてなさげだな。」
「そりゃそうよ、だって……あっ」
香月が急にフラッとよろめいたので、肩を掴んで支えた
「……代償か…?」
俺は静かに問う
「ええ、そうよ」
香月も微かに震えながら答える
「『狂気』、これが私の代償よ。能力を使えば使うほど、精神は壊れていき、やがて殺人衝動に駆られて、人殺しを始める。」
「そこまでわかっていたのならどうして能力を使ってまで外へ出た…」
「この代償を抑えるには…大量の生物を殺しまくらなければならないの…」
「抑えるために生物を探して殺していた……と?」
「そういうことよ……」
「なら、お前が狂う前に、おれがその精神をぶっ壊してやろうか?楽になれるぞ。精神のリセットだ。」
「楽に………」
「一時期、幼児退行してしまうが、一日もすればもとに戻る、どうだ」
「………見返りは?……タダでってわけじゃないのでしょう…?」
「俺のそばにいろ、それだけでいい」
「………いいわ、あなたと契約しましょう。」
「契約成立だ。壊したあとは責任をもって家に返してやるから。先に住所を教えろ」
「ええ、わかったわ、でも送り狼はだめよ?」
「しねえよ!!」
「 あらざんねんだわ」
「……怖いか?」
「…多少は」
顔は少し不安げだ、ときおり来る風にすら怯えているようにもみえる
「大丈夫だ、安心しろ」
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