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僕の体が勝手に香月と壁の間に入るようにして滑り込み、僕は見事にサンドイッチされた。
香月は胸が無いので必要最低限の女の子としての柔らかさしか持ち合わせておらず、壁と壁に挟まれたような感触だった。
しかし。しかしだ!
絶壁とはいえ女の子!
微かに、微かにだが胸の感触は感じれるので役得と言えただろう!
「うぅ…ひどいぜ香月さんよ…」
「あら、ごめんなさい緋白、怪我をしないためにはなにかをクッションにするしか無かったのよ」
「だからって僕をクッションにしなくたっていいだろぉ!?」
ここは結界のなか。
さっきまでいた現実の空間をまるまる再現しているが、置いてあるものや、外の景色は全て偽物だ。
幸いここにはソファーがあったし、それを使えばよかっただろう。
「いやだって、ソファーは自発的に動いてくれないじゃない。」
「お前がソファーの方に飛んでいくように未来を限定すれば良かったんじゃないのか?」
「吹っ飛ばされてる最中にそこまで頭は回らないわよ、反射的に視界に入ったあなたを使ってしまったのよ、これには悪気は少ししかないわ」
「少しはあるのかよっ!」
「あのー、私はスルーですかー??おーい緋白ラブー、愛してるぜー」
「そんな恥ずかしいことを堂々というな!!」
あー非常に忙しい
主に突っ込みで
「オー!やっと反応してくれた!もう、エリカさんは戦意喪失だよ!ほんわかしすぎだよ!」
「…私も、なんだか萎えちゃったわ」
「なんて身勝手な…まあいいや、結界解くからな」
「好きにしなさい」
俺が指をぱっちんと鳴らすと、結界が崩れていき、もとの世界に戻ってきた
「あら、あんなことしてたらもう下校時間だわ、仕方ないわね、帰りましょう。」
「わお!もうそんな時間!?やばいやばい!エリカさんはバイトがあるのでー、お先に失礼しまーす!!」
「おお、そうか、じゃあな」
「ぐっばいぽー!」
エリカは異能を解除するとあわただしく出ていった
「誰がポールだよ…さて、香月お前はどうする」
「コンビニによって帰るからあなたとは違う方向になるわ」
「そうか、んじゃあ俺も帰るわ。」
「ええ、お疲れ様」
「おつかれーっす」
俺は軽く手を振って部室を後にした
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