妹弟達が可愛くて仕方ないという題名の昔話

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  あるところに双子の姉弟がいた。二卵生ではあるが幼い頃は顔もよく似ており、大変可愛らしい容姿をしていた。成長すると共に弟はたくましく育ち、姉は美しく育った。しかしこの双子は、ある時を境に真逆の道を歩むことになる。 双子が丁度六歳を迎えた頃だった。魔法使いの血を引く子供に、安定した魔力生成の機能が備わる平均的な年齢である。魔法を扱えなくとも魔力は魔法使いの血があれば誰にでも現れ、幼いうちに鍛えればその容量の絶対値を増やすことが出来る。 特に貴族の子供ともなれば、将来を期待され、エリートととして英才教育を受けることになるだろう。 しかし極々稀に、魔法使いの血を引きながら魔力を生成出来ない体質に産まれてしまう子供もいる。恐らく世界中の魔法使いの子供達の中でもほんの数人ではあるだろうが、ただの人として生まれてしまうのだ。勿論それはただの体質であって、本人に何か欠落している部分があるわけではない。 あくまでただの人間としては、欠落している部分はない。しかしそれが魔法使いの子供として生まれてしまうが為に、絶対的な迫害の対象となるのだ。
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