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周りでざわめく生徒達に対し鬱陶しそうに眉を寄せ、栴は出していたノート類を片付けた。
クラスメイト達はそんな冷めた様子の彼を見て、陰口らしきものを囁き合っていた。きっと先程の武闘会の話も関係しているのだろう。
そもそも飛び級をしているせいで、栴と他のクラスメイト達とは壁が生まれている。性格があまり良いとは言えない彼は社交的ではなく、尚且つコミュニケーション能力も乏しかった。
しかしクラスメイト達から意味もなく嫌われているわけではない。
「そういえば神塚、先輩に優勝しろとか言ってたよな」
「聞いた聞いた」
「あれマジ何様のつもり?」
「天才様なんじゃね?」
「何それ(笑)。つーか調子乗りすぎだろ」
「あーそれ思う。年上に対して生意気すぎ」
「才能は認めるけど態度悪すぎだよな」
「謙遜って知らんのかって思うわ」
「ニコリともしないしな。いっつも無表情だし、てめーは人形か!」
「てか逆に先輩笑いすぎじゃね?」
「あーこっちはいつもニコニコしてるなぁ」
「逆に怖い。何か本気で怒っても笑ってそうで怖い」
「でも怒ったところ見たことねぇよ」
「ブラコンで神塚にベタベタだしな」
「あーあれな、あれはあれでウザそうだけど」
「あの域はヤバい」
「あそこまでなったらキモすぎて近寄れん」
「あそこまではちょっと…」
「でももうちょい性格良ければ会話出来そうなのに」
「あー、確かに」
「でもいきなり愛想良くなられても引く」
「分かる(笑)」
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