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「あの部屋もエレベーターも逐一監視されてるからな、迂闊な事は話せねえんだ」
「監視って…」
「言葉の通りだ。あんた酒は飲めるか?一杯だけ付き合えや」
連れてゆかれたのは個室に仕立てたれたBARだった。
注文したバーボンとカクテルが運ばれると、佐竹がふぅっと息を吐いて私を見る。
「先に言っとくが、あいつの事に関しては俺からは何も話さん。あんたも誰にも話しちゃいかん」
鋭い視線を真っ直ぐに私に向けて、そう言い放った。黙って頷く。
「まあ、あんたが関わったのが偶然なのか、それともあいつの手の内の事なのかも分からんが…気をつけろ」
「あの…気をつけろってどう云う意味なんですか?」
「さあな、言葉の通りだ…もっとも、もう遅いんだろうけどなぁ」
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