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あの日から三月が過ぎた。ベランダとは言えない程広いテラスに出てみる。
真夏の夜…地上では蒸した熱気が留まり、人々は眠れぬ夜を過ごしているかも知れない。
このペントハウスは別世界だ。青く光る水の張られたプールに足を浸せば、驚くほどの心地良さが身体に拡がる。
「さて、と…帰ろうか」
また数日すれば、彼からの電話が鳴るだろう。
「眠れないんだ…来てくれるかな」
そうしてまた私はこのペントハウスへ舞い戻るだろう。
得体のしれない綺麗な男に、眠りを捧げる為だけに…
第一話 END
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