ペントハウス第1話

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まるでシルクの様に繊細な色素を持たない髪は、指の隙間に心地良い感触を残す。 大人が六人でも眠れるのではないかと云う程に広いベッドには、何時でも真新しい純白のシーツが敷き詰めてある。 胸の上に両の手を祈る様に組み、真っ直ぐな姿勢で上を向いて眠っている。 薄い灯りの中で、耳を澄ませなければ聞こえない程に静かな寝息を立てている。 長い睫毛、出来すぎた彫像のような端正な顔立ち… 白い肌は驚く程に滑らかで、抱かれていると自分が恥ずかしくなる。 時折、この男は此の世のものとは思えない風に感じてしまう。
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