二章

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「母さんが僕の母さんじゃないなら、僕は一体誰の子なの?」 ライラは必死に涙を堪えようと我慢したが、涙はポタポタと地面に零れ堕ちた 母親ドラゴンはそんなライラを見て、胸が痛く感じたが、自分の呼吸が今にも事切れそうだった 母親ドラゴンは次にこういった 「確かにライラは我の卵から産まれた。だが、その前まではお前は人の腹の中にいたのだよ」 「え?僕が人の中に?」 「そうだ、その人こそ、ライラの命を作ってくれた母親だ。そして我がその命を繋ぐ為に我の体内で融合し、お前が産まれたのだ」 「じゃあ…じゃあ僕は母さんの子なの?それとももう一人の母さんの子なの?ねぇ!!」 「………………」 ライラが必死に聞いても、母親ドラゴンは既に虫の息だった。ドラゴンの瞳はしっかりとライラを映していた 母親ドラゴンの死を知った時、ライラは泣き叫んだ。それは人の泣き声とドラゴンの鳴き声が混じった、異様な泣き声だった ライラの髪は黒く、それに添ってなにもかもが黒く染まっていた。皮膚の鱗も、瞳の色も、そして口から噴く炎も  自分の姿を見たときから母親ドラゴンは赤く美しいドラゴンなのに、どうして自分は黒いんだろうと、いつも考えていた。やはりそれはもう一人の母さんの影響だと考えると、ますます僕の頭は黒で染められた ライラはこの日、一人ぼっちになった 母親ドラゴンの亡骸に寄り添いながら、そのまま眠りについた。絶対に目が覚めないと分かっていながらも、ずっと母親のそばから離れなかった するとそこに、一人の男が現れた。 旅人か狩人みたいな服装をし、ドラゴンの亡骸のそばで眠っているライラを見つけると、男はライラを担ぎ上げて洞窟から出ていった  彼の名はイグニール ここ最近ドラゴン狩り集団に入り、その中で一番の凄腕と言われているハンターだった イグニールに担がれたライラは、生まれて始めて人がいる村に足を踏み入れたのであった
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