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・・・・・・・。
自分は今大変な状況に巻き込まれてるとしか思えない。
だって目の前には、キャンキャン騒ぐ見た目”だけ”は可愛いチワワの群れと、手の骨をボキボキと鳴らしている厳ついゴリラの群れ。
本物の動物であれば可愛がるぐらいはできただろう。しかし、残念ながらコイツらは人間だし俺を今ここで犯そうとしている。
そんな奴らを可愛がるなんて出来ねぇよ!!!!
「あんたねぇ!!いい加減に転校生を使って生徒会の方々に近づくの、止めてよ!!!」
「転校生もあんな成りなくせして近づくなッつーの!!何あのもっさりした髪!ちょー不潔!!!」
えー。
いや、俺別に近づいてなんかないし。しかもこう言うのってあの転校生に言った方がいいと思うんだけど。
ただ単に俺はアイツに連れまわされてる立場の人間だからさ。うん。
「・・・いや、だから何回も言ってるじゃなi『夏目ちゃんがあんなにも悲しんでるのはオメーのせいだぞ!!』
知らないよ・・・何回もそっちの勘違いだって説明しようとしてるのに。
思わずはぁ、と溜息を溢すとむこうは舐められてると思ったのか、さらに騒ぎ出した。
「なんなの!!あんた!人が折角注意してあげてんのに!!もういい、ヤッちゃってよ!!!!」
憎しみをこめながら命令をする彼。
その一言によってゴリラくんたちが俺に向かってくる。
ここで俺はいろんな意味で死ぬんだろうな・・・。
早い人生の終わりだったなぁ・・。
これからされることへの恐怖を最後の抵抗として表に出さないように目を瞑って唇を噛むと、急に何処からか声が聞こえた。
「あ~れぇ?キミたち、一体なぁにやってんのかな~?」
誰かの唾を飲む音が聞こえた。
誰かきたらしい。こんな誰も来なさそうな場所に来るなんて・・・風紀委員なのだろうか、・・・いやこの学校の風紀委員は活動しているようでしていない。
なんでも今期の風紀委員長はマイペースすぎるらしく、気分が乗ったときだけ助けてくれたりすると聞いた。
目を開けた瞬間に俺の目の前に立っていたゴリラくん1号がどこへ飛んで行った。
え。
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