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この恋は全て『身代わり』から始まった。
僕には同い年の従兄弟がいた。その子は僕とは全く違って誰からも愛される子だった。
顔の作りも、性格も、頭脳も、全てはあの子の方が上で。
あの人の心でさえも奪われていた。
あの人、奏人に告白された当初は初めて自分を見てくれたって感動したし、すごく好きになった。なってしまった。
でも、見てしまったんだ。
奏人と満が一緒にいてキスをしていたところを。
そのシーンが色濃く僕の脳裏に焼き付く。
眠りにつく時もまるで戒めるかのように夢のなかで何度もリピートされる。
そのせいで最近は不眠症だ。
寝ることが怖くて堪らない。
そんな日々が続き、寝不足のまま学校へ足を向けた。
学校に向かえば誰もが僕を見て何かを囁き合う、そんな姿が自然と視界に入ってくる。どうせ、僕の陰口でも言っているんだろう。
眉を顰めながら教室へ向かう。
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