君だから、だよ。

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そのままゴリラくん1号は壁にぶち当たり、顔は血で汚れている。 飛ばされたゴリラくん1号の反対側をゆっくりと見てみると、にへらと笑う顔がよく整った男の人がいた。 でも彼の笑みは気持ち悪いぐらい不気味で怖かった。 「なっ・・・、なんで風紀が動い、て・・・」 チワワが不意に溢した言葉に目を見開く。 この人が風紀の人・・・。 あんまり昔から学園事情なんて知らなかったし、興味もなかったけど・・・この人が・・・。 風紀の人と視線が合い、にこっと微笑まれる。 戸惑いに瞳を揺らしていると、彼はチワワたちの方を向くとまた先ほどとは違った笑みで 「・・ああ、そぉーだ。キミたちにはだぁいすきな罰をあげちゃうねぇ。キミたち、もう明日からガッコーに来なくていいよ~」 やったね~と楽しそうに言う彼とは反対にチワワやゴリラは顔を青白くさせていく。 威勢のいいチワワが吠えた。 「・・・っ、そんなの納得できません!!そもそも彼が学園のルールを破ったことがいけないんです!しかもいままでどんなことが起こっても動かなかったじゃないですか!!”風紀委員長”」 え。さらに驚愕。 この人、ただの風紀委員さんじゃなかったのか。噂の風紀委員長だったのか・・・。 風紀委員長さんは、彼の言い分を聞いてまたへらへらを笑った。 「ふ~ん、ボクに歯向う奴なんてまだいたんだぁ。どーでもいいけどねぇ。そうだね~、多分ボクは誰かが襲われても助けなかったと思うよ~?被害者が彼じゃなかったら・・・ね」 チワワに向けていた視線を俺に向けると、そのままこちらにやってくる。 え。え。 そしてそのまま僕を軽々と抱き上げて 「この子は、ボクが初めて惚れた子なんだも~ん。それにこの子はただ巻き込まれただけ~。てゆーか、じゃないと許さないし~ぃ?」 「うわっ」 俺の後頭部に片手を回し、風紀委員長さんの首筋に押し付けてくる。 めっちゃ、いい匂いするんだけど。 甘いけどそこまで甘ったるくない匂い。 自分の好きな匂いだったため自分から顔を押し付けるような形になったがしょうがないだろう。 その場にチワワやゴリラを置いたまま俺は彼の匂いを嗅いで(変態じゃないからな!)彼はずっと嬉しそうに俺の頭を撫でていた。 『(キミのために香水変えたんだから~。もう、可愛いなぁ)』 えんど。
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