笑顔いっぱい

誕生 -琉輝編-

琉輝の出産は、あまりにも突然で、予期せぬ出来事だった。

臨月に入っても、お腹は下がらないし子宮口はかたいままだった。

医師からは、検診の度に散歩したり床の拭き掃除をするようにと念を押されていた。

それでもこの年は猛暑で、しかも残暑も凄く厳しかった。

ただ座っているだけでも暑いのに、ましてやお散歩なんて行く気にはなれなかった。

今のままの状態なら、確実に予定日はすぎると言われていたので、ほとんど何の準備もせずにのんびりと過ごしていた。