まるで別世界

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 早朝に仲のよい友人にしばらくの留守を伝えた。 急な長期の出掛けに寂しそうだったがすぐに忘れて戻ってきそうだ。 こうしてようやく住み慣れた街を後にした。  しかし、一時間後。  駅のプラットフォームで約30分近く立って待っていた。  寒い。  何度も電車を乗り換えてここまで来た、しかしながら外は大荒れの天気。  今まで見たことないくらいの大雪だった。  これなら雪だるまなんて巨大なものでも簡単に作れるだろう。  しかも雪だるまだけでは多すぎるくらいまだまだ雪はそこら中にあった。  例えかまくらを作ったって余るだろう。  これでは電車が遅れているのも頷ける。  「暇だ。叶太、せっかくだし雪合s-」  「却下。」  2人は軽率で来てしまったと後悔している。  さすがにコートは着ているが、中は秋とそれほど変わりない服装だ。  さらに風也は素手、叶太は手袋をしているが毛糸なので雪が染み込んで冷たくなることにかわりはなかった。  それに屋根の無い所にでると、風で勢いを増した雪が雹のごとく突き刺さる様に襲ってくるだろう。  「おぉ!ハァってするとかなり白い息が出る!」  「いや、家でもそれくらいは当たり前だったよ。」  とにかく場を盛り上げようとする風也に対し、雪のように冷たい対応の叶太。  とにかく押してる時間分手持ち無沙汰で、暇だった。  「氷柱だつららがあるぞ!見ろ!」  確かに見慣れないものだ、だが現地の人の生活では当たり前なのだろう。  彼らがどれだけ暖かい地方で住んでいたのが分かったような気がする。  ただその場に立って居るだけでヒットゲージがみるみるうちに減っていくのが身に染みてわかった。  寒過ぎて震えいつの間にかカチカチと歯音を立てているのが分かった。  一歩外に出れば新しい発見は沢山あるものだ。  遠くから電車が線路を走る音が鳴り響いた。
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