まるで別世界

5/9
前へ
/79ページ
次へ
 「叶兄ちゃん!風也君!コレに着替えて、お客様に夕飯を食べて貰っている間にお布団敷きに行くの!今日の仕事はまずはコレね。」  安南が浴衣とハッピの2セットを持ってきて  仕事の内容を伝えてくれた。  「人数足りなくてね、陰の仕事する人いなくって……ぇへへ~」  理由も単純なものだった。  「終わったら、皿洗いかな?もしかしたら片付けかも、その後は食事かな?」  「よし、しくじった分頑張ろう!皿洗いだったら俺に任せろ!」  僕らの家族の食器を毎日のように手伝う風也だから、得意分野とも言えるだろう。  とにかく浴衣にパパッと着替えた。  しかしまだ仕事開始には少し時間が合ったりした。  手持ち無沙汰に安南と風也はウロウロしてた。  落ち着いて座っていればイライラしないのに。  「あ~、もう!なんて時は遅いの!」  時刻は5時前だった。  そんなとき  少し正面の入り口付近辺りが騒がしいのに気づいた。  耳を澄ませて聴いてみる。  「んっ?どうした叶太?」  「なんかあったみたいでホールがヤケに騒がしいんだ。」  「なにも聞こえないよ?…見に行ってみよう!何も無かったらお客様に挨拶して迎えれば時間潰せるし!」  3人とも同意し控えの部屋から入り口付近のホールへと向かった。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加