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「「ごちそうさまでした。」」
遅れて食べ始めた兄を残し皆一斉に片付けを始めた。
この生活が繰り返すようになり風也専用の箸や茶碗までも用意してある。
そして、終わった後食器を洗うのも彼の習慣になっていた。
家族ながらも、叶太はこれといった手伝いはなかった。
この空いた時間を利用して自室に戻りヘッドホンを清掃する。
一日中片時も放さず着けているのだから毎日綺麗にしておくのが習慣だ。
いつも何も付けられていないコードの先は空しくも傷が付かないようにだけカバーが施されている。
「叶太ー!!いるー?」
(どうしょう、どうしょう困ったよ~)
母が大声で呼びかけてきた。
ズキズキと耳が痛む。
大声でなくても今の状態なら声にさえ出してしまえば聞き取れたのに。
ヘッドホンを耳に戻してから自室から飛び出し皆のいるリビングに向かった。
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