Truth

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ボックス席などは無いので、彼らはバーカウンターに肘をついている。 それで、酒を頼みに来る連中の目にとまってしまうわけだ。   「チッ、ガヤがうるせーな。ぶっ飛ばしてくる」   「ライブハウスやクラブってのは情報の巣窟だぜ? いちいち気にしてたらキリがねーんだよ」   憤るスティーブにジャックがそう言った。 彼も短気なのに変わりは無いはずだが、ここでは違うようだ。やはり遊び慣れているのが分かる。   その時。   「スティーブ…?ねぇ、あなた!スティーブでしょう!」   女。 二人組だが、その片割れがスティーブに話しかけてきた。   知り合いがいてもおかしくはないか、とスティーブが彼女を見る。 さらさらの黒髪をまっすぐに伸ばしたスレンダーな美人である。しかし、見覚えはない。   「…誰だ、お前?」   スティーブは首を傾げた。
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