プロローグ

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pipipipi―― 「……うるさ……」 立て続けに鳴り響く通知音のせいで目が覚めた。 明けの日は18時くらいまで寝ないと体持たないんだから、邪魔しないでほしい。 もう一度目を閉じ…… pipipipi―― ……られなかった。誰だよ。 不本意ながらも半目でスマートフォンを操作する。 あの忌まわしい音は某チャットアプリだったと、通知を見てぼんやりと思い出した。 ――quatre amis 大学でフランス語を取っている麗が「日本語だとありきたりでしょ?」とつけてくれたグループ名。 これで幼馴染って意味だと言うから驚きだ。 画面の隅に【未読38件】とか出ててまた目を瞑りたくなったけど、取り敢えずざっと目を通す。 要約すると、8月中に4人で何かやろーぜ、って事らしい。 最後の方は寝てるであろう私に奇襲をかけるかけないという話に発展していた。 ……何となく想像がついてしまう自分がちょっと怖い。 麗には申し訳ないけど、裕くんの言う通りまだ早いと思う。 苦笑しながら3人に返信しようとして、少しだけ考える。 そして、ただ一文だけ打った。 『会議通話にしてくれない?』
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