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隆との話を終え、厨房を出ると、リンが二人分の会計をしようとしていたので、
「あっ、今日は俺が払うよ」
と慌てて身を乗り出した。
「あら、バイトが決まったから、強気ね」
そう言ってクスクス笑うリン。
会計を済ませて店を出ると、ほろ酔いのリンは気分良さそうに軽い足取りで石階段を下りていた。
「わっ」
次の瞬間、足を踏み外し転倒しそうになり、
「危な」
と、そんなリンの体を咄嗟に後ろから抱きかかえた。
「あ、ありがとう、樹利、助かったわ」
そう言ってリンは安堵の息をついた。
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