第2話 『初恋と確執』

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正直、なんとなくは気付いていた。 航空会社に勤めていて忙しいとはいえ、家に帰らなさすぎる父。 頻繁にかかってくる無言電話。 母と家政婦の旅行も、きっと父の浮気を確かめる為の何かだったのだろう。 深く息をついた後、リンのことを思い浮かべた。 ……こんなに好きな気持ちも、いつしか泡のように消えて、父のようになってしまうのだろうか? 父のようにだけはなりたくないと、強く思った。
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