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「そういうリンは?隆とどうなってるんだ?」
話題を振り返すと、リンは顔を曇らせた。
辛そうな表情を見せるリンに身を乗り出し、
「もう、やめろよ」
と強い口調で言った。
「えっ?」
「隆なんて、やめろよ」
リンは驚いたように目を見開いた。
テーブルの上に置かれているリンの手を握り、
「本気で言ってるんだ、隆なんてやめろよ」
俺がリンの側にいるから……。
そう言おうとした瞬間、リンは焦ったように手を払い、席を立った。
「わ、私、用事思い出しちゃった。……樹利、またね」
そう言って逃げるように去って行った。
そんなリンの後ろ姿を眺めながら、苦しさに拳を握りしめた。
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