第2話 『初恋と確執』

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「母親?うーん……勝手な人だよ」 「勝手?」 リンは目を丸くした。 「多分、俺は外見は父親似で、内面は母親似なのかもしれないな。 うちの母親はすごくマイペースなんだ。周囲の目とかも気にせず好きなことするし、俺のことも気が向いた時に構いに来るって感じだよ。 俺の名前だって、お腹の中にいる時に女の子だと思ったから『ジュリ』って決めてて、生まれて来たのが男でも、そのまま、その女の名前をつけるくらいだし。本当、勝手なんだよなぁ」 そう言って笑うと、 「……樹利は、勝手なお母さんで嫌じゃないの?」 とリンは低い声で尋ねた。
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