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仙道孝助17歳。
高校生活は順調で、日々楽しく過ごして来たと思う。
しかしこの春、友人の両親が海外に行く事になってから状況は一変する。
友人は日本に残りたいと必死に交渉し続けた結果、両親から俺が一緒に全寮制の男子校に転校するならばという条件を付けられたらしい。
何故そこで俺なのか。
藁(わら)にもすがるような状態の友人に根負けし、2人でその全寮制男子校の編入試験を受けた。
共に合格通知が届いてから郵送で手続きを終わらせ、学校…いや、学園に来るのは今日が初めて。
緊張しているようなしていないような、よく分からない心境(しんきょう)だ。
「トモ、呼び鈴有ったぞ」
「ポチっとな」
トモが呼び鈴のボタンを押せばリーンゴーンと、なんだかとても高級そうな音が門の周辺に響く。
無意識にピンポンだと思っていた予想が外れ、びっくりして思わずその場から一歩後退ってしまった。
「ピンポンじゃ無いのかー」
「そうだな」
お互い似たような事を考えていたらしく、首を傾げながら振り返りこちらの顔を覗き込んできたので頭を撫でておく。
頭を撫でると喜ぶと本人が言っていてよくやっていたので、つい癖のように手が伸びてしまうようになった。
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