幽霊のみかた

死という概念

「あら、知り合い？」

クミカはきょとんとした表情で僕らを交互に見た。

「高校の時の後輩なんだ」

エイジ先輩はリビングからでも見える位置にあるキッチンに行くとコップを取り出し水を飲んだ。

「うへえ、生き返るぜ」

はっはっは、と笑いながら僕の隣に腰かけると、何が楽しいのかやたら上機嫌で背中をたたいてくる。

「今日からケイスケも一緒に暮らすのか？　クミカのやつはこんなんだし、アミカも腹黒いから大変だとは思うが、楽しくやろうぜ！！」

アミカさんが腹黒いというのはよくわからないが、確かにエイジ先輩もいるなら楽しくなりそうだ。これからの生活が楽しみになってきた。

「って、まだ一緒に住むとはまだ言ってないんですけど……」

唯一の顔見知りであるエイジ先輩に助けを求めるように顔を向けたが、いつの間にかエイジ先輩は隣からいなくなっていた。