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「あれ? エイジ先輩は?」
今しがたまで隣に座っていたはずのエイジ先輩を探しあたりをきょろきょろするも、いつの間にかこの部屋からいなくなっていた。
「エイジなら今さっきトイレに行くって部屋を出たじゃない」
クミカはあくまでも何を言っているのかわからないといった表情で見てくる。
その、人をなめきった表情は癖なのだろうか。いちいち癇に障るやつだ。
「話は戻るけど」
と、アミカさんは仕切りなおす。
「一緒に住むといっても、ただでとは言えないから……」
「おい、勝手に連れてこられて、勝手に一緒に住むことにさせられて、金までとるのかよ」
思わず突っ込みを入れてしまう。
いやいや、おかしいだろ。いくら世の中が理不尽とはいえ、もうわけがわからな過ぎる。
つっこみどころが多すぎて何から突っ込めばいいのかわからない。
アミカはそう言われるのわかってたかのように説明を始めた。
わかっていたのなら初めから順を追って説明しろと……。
「さっき説明したとおり、あなたにあたしの仕事の手伝いをしてもらう。もちろん報酬もあるし、何よりあなたのためにもなるし。クミカのためにもお願いしたい」
あーっと。わかりづらいけど、つまるところはその仕事を手伝うことで家賃代わりにすると。同時に差し引いて給料ももらえるということか。
「いや、別に僕はそこまで生活には困ってないし。仕事だったらバイトでも探せばいいだけだし……」
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