幽霊のみかた

死という概念

「これも何かの縁だろ。高校の時の合宿を思い出して楽しいじゃないか」

エイジ先輩の相変わらずの能天気っぷりにどこか安心してしまう。

「アミカは説明がへたくそなくせに、その説明を理解してもらえないとキレるっていう、理不尽の女神様だからな。そんなにさっきのは気にしなくていいぞ」

何が楽しいのかエイジ先輩はずっと笑っている。
仮面なのかもしれないがアミカさんも笑顔だし。
クミカは常に人を小ばかにしたような顔だし。
まったくもって意味が分からない。が、わかるのはここを出るとアミカさんは何かをやりかねないということだった。

「なんで、こんなことに……」

またも僕が頭を抱えると、それを肯定と受け取ったのかクミカが立ち上がった。

「それじゃあ、私は晩餐の支度をするわ」

いまどき晩餐なんて言う小学生がどこにいるのだろうか。真剣にクミカの育った環境が気になる。

「あたしも手伝うよ」

と言ったのはアミカさん。キッチンに向かう二人の後姿を見ると手伝うのはクミカの方に見えるのだが、この二人の場合はどっちが正しいのだろうか。

そのあと、改めて自己紹介をしつつ食事をとった。
エイジ先輩との高校時代の話をしたりなど、たわいもないごく普通の仲間内での食事風景だった。

ちなみに料理は晩餐という表現に相応しいほどの豪華さであった。
しかも驚きなのがほとんどクミカが作ったということだった。
あの小ささでどこにそんな知識を蓄えているのだろうか。