死という概念

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翌日、目が覚めると真っ先に時計を見た。 やばい、寝すぎた。完全に授業に間に合わない。 今日の授業は二限まで、すでに終わってしまっている。 上半身を起こすとやたら体の節々が痛んだ。 どうやら、昨日の食事の後みんなで修学旅行気分で遊び通し、そのまま寝てしまったみたいだ。 誰がかけてくれたのか知らないが、掛布団をはがすと、隣ではエイジ先輩が気持ちよさそうに眠っていた。 ええい、くっついてくるな。 首をめぐらせれば、クミカが一人で料理の支度をしていた。 「あら、やっと起きたの?」 「まあな。完全に寝すぎたわ」 「本当に馬鹿ね」 そこで少し微笑みでもすればかわいげのあるものを。クミカときたら本当に人を馬鹿にしたような顔をするんだもんな。 まあ、いい加減慣れつつもあるけどさ……。 そういえばアミカさんが見当たらない。 「アミカさんは?」 「ケイスケとは違って学校に行ったわ」 なるほど、それもそうか。本来なら僕だって学校に行っているのだから。
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