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「うひゃあ！」
思わず変な声が出てしまった。
声の聞こえた方へ恐る恐る顔を向けると、案の定というか、先ほどの男が立っていた。
「どんな悲鳴っすか」
くすくすと笑っているその男は見た目よりも優しそうな雰囲気がした。
「えっと、なんですか？」
それでも若干ビビりながらの男に返事をする。
さっき見ていたことに関してだろうか……。
しかし、返ってきた答えは予想の斜め上をいっていた。
「まあ、質問するまでもなくわかったんすけど……。俺のこと見えるんすね」
へ？
彼は何を言っているのだろうか。
「オレ一度死んでて、今はフリーの幽霊をやってるんすよ」
言い方はまるで久しぶりに会う先輩に近況報告をしているようだった。
が、内容はそんなわかりやすいものではなかった。
「え、それってどういう？」
「違ったら失礼な話なんですけど。なんか同じ匂いというか、似たような雰囲気を持ってる人がいたんで思わず声をかけてしまったんすよ」
驚かせてすみません、と微笑む彼は、嘘をついているようには見えなかった。
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