第3話 『高校生』

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――― ――――― ―――――――― 学校への留学手続きをすべて終え、いよいよ旅立ちの日。 空港に向かう前に、三上の家に立ち寄った。 大荷物で突然訪れた自分に、三上はただ目を丸くしていた。 「突然悪い。最後に謝りたくて」 苦笑しながらそう言うと、 「最後って?」 と三上は動揺しながらスーツケースと自分を交互に見た。 「パリに留学するんだ。 言われた通り、女史の目の届かない所に消えるよ」 「えっ?」 三上は虚を衝かれたように目を見開いた。
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