2605人が本棚に入れています
本棚に追加
「そぉよぉ、久しぶりじゃない。まぁ、すごいイイ男になって」
と嬉しそうに笑う女性となった隆の姿に、ただ動揺した。
心のどこかで隆とリンが一緒になっていることを想像していた。
まさかこんな風に変わっているなんて。
「え……あ、リンとはどうなったんだ?」
怖いような気持ちでそう尋ねると、
「リン?
リンは結婚して幸せにしているわよ。スタイリストの会社を設立して、ファッション業界では名が知られてきているみたいね」
その言葉に、目の前が真っ暗になった気がした。
「結婚?」
……リンが?
「ええ、そうよ、相手はリンのお母さん、天野順子の知り合いの有名なデザイナーみたい。
お見合い結婚みたいなものかしら」
それ以上、隆の言葉は耳に入って来なかった。
最初のコメントを投稿しよう!