第3話 『高校生』

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――― ――――― ―――――――― 勢いで決めたパリへの留学。 親には頼りたくなくて、横浜に住む祖母の力を借りることにした。 訪れた坂の上の白い洋館。 英国風の美しい庭の花々が風に揺れて、ここに来ると幼い頃の自分に少しだけ戻れる気がした。 英国人とのハーフである銀髪の祖母は柔らかな笑みを浮かべて、 「なんだか今日は素敵なお客様が来る気がしてケーキを焼いていたのよ」 と嬉しそうに笑った。
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