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パリのファッションモード専門学校に行くのに、お金を貸してほしい旨を伝えて、
「必ず5年以内に返します」
と頭を下げると、祖母はクスクスと笑った。
「まぁまぁ、そんなに畏まらないで。ひとつだけ聞きたいのは、どうしてお父さんとお母さんにそれをお願いしないの?」
紅茶の用意をしながら優しくそう尋ねる。
「……尊敬してない人を頼れない」
目をそらしながらそう告げると、祖母は「そう」と小さく頷いた。
「どんな経緯でパリへと決めたのかは分からないけど、きっと呼ばれたのね。
運命が動く時って、少し乱暴に運ばれることあるのよ」
トポトポと紅茶を淹れながらそう言う。
その言葉を黙って聞きながらも、よく理解できずにいた。
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