第3話 『高校生』

4/35
前へ
/35ページ
次へ
「ああ、確か、成績ナンバー1の才女だろ?」 「そう、三上紗江子、ブスだよなぁ」 と顔をしかめながら言う友人に、小首を傾げた。 「そうか?」 髪型と眼鏡がイマイチなだけで、ブスじゃないと思うけどな。 心でそう付け足していると、 「よく言うよ、菅野はすげぇ面食いのくせに」 「そうそう、『仲良く』する子は美人ばかりだしな。パッとしない女子には手を出さないし」 そう言って笑う友人たちに、特に何も答えなかった。 別に面食いってわけじゃない。 服を脱がせて、喘ぐその顔は美女も平凡な子もさして変わりはないし。 ただ、パッとしない子は関わると面倒くさそうだから手を出さないだけ。 遊び慣れた子に、見栄えのする子が多いだけの話だ。 ベッドで激しく汗をかいて、バイバイと手を振って終われる。 そんな関係が楽でいい。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2605人が本棚に入れています
本棚に追加