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『いや、あれは君の演出だろう?』
ジャラベールの言葉に、驚いて顔を上げた。
『グランプリを獲った若きデザイナーの生意気な返答は早く世間に名を伝えることになるだろう。
風当たりも強くなることを覚悟で、君はあの返答をした。
……君は何をそんなに急いでいるんだ?』
全てを見透かす彼の言葉に、弱りきって髪をかき上げた。
『……早く名の知れたデザイナーになりたかったんです』
素直にそう告げると、ジャラベールは楽しげに笑った。
『正直だね。
しかし急がなくても、君はすぐ有名になるだろう。
その才能と美貌は必ず世間の注目を集めることになる。
この世の中、才能を持つ者は多い。そして美しい者も多い。
だが、この二つを兼ね備えた君のような存在は稀有だ。
私は君のような逸材を育てて行きたいと思っていた。
才能と美しい者を愛する者としてね』
ジャラベールはそう言ってしっかりと視線を合わせた。
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