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そうして訪れたパリ。
不思議と懐かしさのようなものを感じ、
『呼ばれたのね』
と言っていた祖母の言葉をなんとなく思い出したりしていた。
バイトに明け暮れながらの寮生活を終え、学校を卒業後はデザイナーコンテストにエントリーし、グランプリを獲得するようになっていた。
少しずつ重ねる実績に、賞金。
それでも、まだまだ無名の新人デザイナーだった。
『小さなコンテストのグランプリを何度獲っても、仕方ないよなぁ』
はぁ、と息を漏らしてそう言うと、デザイナー仲間のローラン・クリフトとニナ・エトウは勢いよく振り返った。
『ちょっと、樹利、そのコンテストにさえエントリーできない私たちを無視した発言は、聞き捨てならないわね』
怒ったようにそう言うニナに、ローランはアハハと笑った。
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